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ダイヤモンドの査定 パート18 (Color Grading)

ダイヤモンドのカラーグレーディングは、無色を最高のランクとして基準に設定し、その無色から評価されるダイヤモンドにどれだけ色がついているかを判断し等級付けを行う作業であると申し上げました。(ダイヤモンドの査定 パート12参照)

そして、その方法は、マスターストーンと対象のダイヤモンドを比べてどのマスターストーンの色に近いかを判断し、そのマスターストーンのカラーグレードと同じ等級を、評価する石の色として等級付けを行う作業となります。(ダイヤモンドの査定 パート13~17参照)

では、具体的にどのように作業を行うのでしょうか?

この作業を始める前に作業を行う環境をきちんと整える必要がございますが、その詳細は以下の通りです。

 

☆ベストな光源とその周囲、そしてその作業場の確保

色を判断する作業であるため、グレーディングする際の光の環境は当然重要となります。

色は光の加減によって変化するため、いつも正しいダイヤモンドのカラーグレーディングをするには、いつも同じ光のある環境を作り出す必要があります。

そのため、同じ光源とその周囲、そしてグレーディングをする環境を作り出すことの出来る作業場をあらかじめ作っておく、または作り出すことができるようにしておかなければなりません。

 

『作業場』
その作業場にはカラーグレーディングに適した光源のみ使用可能で、他から余分な光が入ってこない暗めの部屋を用意します。

 

『光源』
光源は紫外線が入っていない、色を見るために適した蛍光灯を使用します。こうした蛍光灯は市販されているので、卓上のデスクトップライトの蛍光灯を交換することで光源を確保することが可能です。

 

『光源からの距離』
この光源を評価されるダイヤモンドの上から照らす場合、その距離はおよそ10センチくらいが理想とされています。

 

『光源の方向』
また、評価されるダイヤモンドをどの方向から照らすのかも大切な要素となります。

カラーグレーディングを行う場合、通常ダイヤモンドの上から照らしますが、茶色の色がかんでいる場合は下から照らしたほうがよりグレーディングしやすい場合があり、下からも照らせるほうがより正確にダイヤモンドの色を見ることができます。

 

『検体の周囲の色』
光源と評価されるダイヤモンドの周囲の色は、カラーグレーディングを行うため当然白色でないといけませんが、その白色もぱっと明るい白や、蛍光性のある材質ではなく、ぼんやりとした白で蛍光性のない物が良いとされます。

これはできるだけ評価されるダイヤモンドに影響を与える白を避けるという意味合いがあります。

一見大変なように聞こえますが、市販されている蛍光性のない白い紙を買ってきてこれを光源の下に敷き、同じくこの紙を折って受け皿を作成し、この中にダイヤモンドを入れてカラーグレーディングすることもできます。

 

DiamondDock
より確実に上記の光源を確保したいユーザーのために、GIAではカラーグレーディングに適した、”DiamondDock”と呼ばれる商品を販売してます。

頭上からだけでなく下からの光源も確保でき、ダイヤモンドを置く受け皿も付属されており、評価されるダイヤモンドの周囲の白色も理想的な状況でのカラーグレーディングが可能です。

 

では、次回は、ダイヤモンドのカラーグレーディングの仕方を解説していきます。

 

マルキヤ質店 G.I.A. G.G.(米国宝石学会公認鑑定士)蔡 彰訓