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ダイヤモンドの査定 パート16 (Color Grading)

前回に引き続きマスターストーンについてもう少し掘り下げてみたいと思います。

マスターストーンの大きさが最低でも0.25カラット以上で、0.30~0.40カラットが望ましいことは以前お伝えしました。

では、どうして0.25カラット未満の小さな天然ダイヤモンドはマスターストーンにふさわしくないのでしょうか?

 

まず第一に、一般的に分厚い透明の材質は光を多く吸収するため、同じ材質で薄いものよりも色が濃く見えるという、根本的な原因が理由として挙げられます。

よって、まったく同じ色のダイヤモンドでも大きい石の方が小さい石より色が濃くみえてしまいます。

また、大きいダイヤモンドは小さいダイヤモンドよりわずかな色の違いが分かりやすいということももう1つの理由として挙げられます。

つまり、小さすぎるときちんとした色の判断ができにくくなるため、0.25カラット以下を推奨しないということになります。

 

反対に、上記の理由から極端にマスターストーンよりも、大きい石のカラーグレーディングを行うこともあまりふさわしくありません。

とういうことは、明らかに違う大きさのマスターストーンと比較してカラーグレーディングをするよりも同じくらいの大きさの石のマスターストーンを使った方がよいということになります。

ですから、ある程度の大きさごとにマスターストーンを準備してそれぞれの大きさの石にあったマスターストーンを使用することが理想的です。

しかし、若干の大きさの違いでは石の色の違いはそう変わって見えることはなく、マスターストーンを揃えるのはコストと手間がかかるため、各大きさごとのマスターストーンを集めるというのは現実的ではありません。

また、大きいダイヤモンドというのはかなり稀少で目にする機会もそう多くはなく、よく見るサイズの大きさのダイヤモンドをマスターストーンとして手元に置くということが現実的となります。

 

以上のことを考慮すると、

0.3~0.4カラットぐらいの大きさのダイヤモンドが一番流通しているので、このカラットの大きさの石をマスターストーンとして揃え、通常のカラーグレーディングに対応するようにします。

もし、大きな石をカラーグレーディングする場合、大きさが極端に違う石は色が実際よりも違って見えることをあらかじめ理論として理解し、カラーグレーディングを行うということになります。

 

よって、GIAでは、マスターストーンの大きさは0.25カラットを最小として、0.30~0.40カラットの大きさを推奨しているということになります。

 

マルキヤ質店 G.I.A. G.G.(米国宝石学会公認鑑定士)蔡 彰訓