今日、5月14日は、種痘記念日。
折しも本日、新型コロナウイルスによる
緊急事態宣言が、三重県を含む39県で
解除されましたが、
人類が初めてそして唯一、根絶に成功した
天然痘(てんねんとう)ウイルスに対する予防接種である
種痘(しゅとう)接種を、1796年の今日、
イギリスの外科医であったエドワード・ジェンナー氏が
(Edward Jenner) 世界で初めて行った、記念日です。
そもそも、天然痘とは、天然痘ウイルスに感染することで
引き起こされる病気で、人に対して非常に強い感染力を
持ち、死亡率は20%から50%に達します。
飛沫感染や接触感染により感染し、約1~2週間の
潜伏期間の後、頭痛、腰痛、40℃の高熱を発症。
顔面を中心に皮膚に1センチほどの無数のいぼのような
発疹が現れ化膿し、膿疱(のうほう)となり、
運よく死を免れ治癒しても、膿疱が傷跡となって
痕跡が皮膚上に残ってしまう。
紀元前1100年代に亡くなったエジプト王朝の
ラムセス5世のミイラにも天然痘の痕跡が発見されていて、
古くから人類を脅かしてきたことがわかります。
歴史史上たびたび猛威を振るい、一旦感染が広がると
多くの人々が亡くなったため、非常に恐れられていて、
ヨーロッパでは当時、天然痘による死者が、毎年
60万人にも上っていたとのこと。
コロンブスが1492年、アメリカを発見して以降、
ヨーロッパからの人々の移住によって
天然痘ウイルスが北アメリカ大陸に持ち込まれ、
免疫のないアメリカの先住民に瞬く間に感染し、
死亡率90%の壊滅状態に。
白人による征服がすすんだ要因となったとのこと。
南アメリカ大陸で当時栄えていたインカ帝国や
アステカ帝国でも、スペイン人やポルトガル人の
侵攻よって天然痘が持ち込まれ、瞬く間に感染が拡大。
インカ帝国、アステカ帝国の滅亡につながった
とされている。
日本も例外ではなく、天然痘によってかなりの死者が
出ており、奈良の東大寺大仏が建立されるきっかけに
なったのは、天然痘の感染拡大への不安を取り除き、
国を安定させたいとの聖武天皇の思いからだったと
言われているのだそう。
歴史上有名な人物も天然痘を患っていて、
源 頼朝、豊臣秀頼、吉田松陰、夏目漱石は
顔面に天然痘による痘痕があったことが分かっている。
また、戦国大名で独眼竜正宗で有名な片目の伊達政宗が
右目を失ったのも天然痘によるものだった・・・。
そんな恐ろしい天然痘ウイルスによる伝染病。
このウイルスに、エドワード・ジェンナー氏は
どのように立ち向かったのでしょうか?
詳細は次回に・・・
明日香