新型コロナウィルスがパンデミックになって
完全に終息するためには、
ワクチンが欠かせないと
よく言われるようになりました。
先日の種痘記念日のお話で、人類初のワクチンとなった
天然痘の種痘接種(天然痘ワクチン接種)を初めて
行ったエドワード・ジェンナー氏の話
そして、ワクチンという呼び名は、そのジェンナー氏が
種痘(ワクチン)を作るために使用した牛の
ラテン語がもとになっていることは
当コラムでお伝えしたばかりですが、
では、そもそも、そのワクチンとは何なのか、
きちんと整理してみたいと思います。
私達人間の周りには、ウイルスや細菌が数限りなく
存在しており、その中には感染すると
病気を引き起こしたり
死に至らせてしまうものもあります。
それらを病原体と呼んでいます。
では、人間はそうした病原体に、なす術もなく
やられっぱなしなのかというと
そうではありません。
人間の身体には、1度体内に病原体が侵入すると、
その病原体を記憶して、再度侵入してきても
病気にならないように、その病原体と戦う能力が
備わっています。
この身体のしくみを「免疫(めんえき)」と呼びます。
「免疫」は、「疫」=病気 から「免」免れるということ
であり、この免疫システムを稼働させることで、
病気に感染しない、または、感染したとしても、
軽症で済むようになるのです。
この身体の仕組みを利用して、病原体に感染する前に
人工的に病原体に対する免疫を作り出させるのが
ワクチンです。
その方法は、実際の病原体そのものを体に感染させる
のではなく、病原体の毒性を弱めたり、無毒化したもの、
つまり、ワクチンを作って、これを身体に投与し、
体内の免疫システムを稼働させます。
そうすることで、本物の病原体が体内に侵入しても
すぐに免疫細胞が病原体を認識し、
体内に侵入した抗原(病原体)を捕まえる抗体を
大量放出し、攻撃力をアップして即座に攻撃するため、
病気にならない、もしくは軽症で済むようになるのです。
エドワード・ジェンナー氏が、人間の天然痘のワクチン
として使用したのは、牛痘(ぎゅうとう)と呼ばれる、
牛の天然痘ウイルスでした。
なぜなら、牛痘は人間が感染しても軽症で済み、
人間の天然痘と同じ種のウィルスなため、
1度人間が牛痘に感染すると人間の天然痘に感染しない
からなのです。
つづく・・・
明日香