「七夕の節句」の由来、3つ目。
③日本の神事「棚機(たなばた)」について
織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)のストーリーにあやかった
中国の行事の乞巧奠(きっこうでん)が奈良時代に伝播する前に
日本古来の年中行事として、7月7日に「棚機(たなばた)」
という神事が行われていました。
この行事は穢れ(けがれ)を清める行事で、
毎年、稲の開花時期に合わせて、秋の豊作を祈るために選ばれた女性が
水辺に小屋を建ててその中にこもって、神様に供える着物を織ります。
そして、出来上がった着物を棚に供え、その年の秋の豊作祈願と
村人の穢れを清めるというものが、神事の「棚機(たなばた)」です。
この時、乙女が着物を織るために使用された機織り(はたおり)機が
棚機(たなばた)と呼ばれており、これが日本の神事「棚機(たなばた)」
の由来となっています。
奈良時代に中国から乞巧奠(きっこうでん)が伝播して、
この日本の神事の「棚機(たなばた)」と融合し、
「七夕(しちせき)」と呼ばれる宮中行事となりました。
室町時代になり、この行事が民間に広がってゆく過程で、
「七夕」の読み方である(しちせき)が、人々が慣れ親しんでいた
「棚機」の読み方である(たなばた)へと変化していった
と考えられるとのこと。
以上が、「七夕の節句」の由来で、七夕の読み方「しちせき」を
「たなばた」とも読むようになった由縁です。
深く考えずに、簡単に「たなばた」と呼んでいた行事。
実はいろいろな過去があるということなんだなぁ~
とある意味感心してしまった私なのでした。
明日香