前回からのつづき・・・
「ドラ」と呼ばれる釜と職人さんの技が
融合し合ってできる、金平糖の
イガ(角)と呼ばれる突起。
砂糖の結晶化速度は、その日の気温、湿度によって
大きく影響をうけるため、
イガ(角)がきれいに、バランスよく成長し
美しい金平糖に仕上がるためには
職人さんが
砂糖が結晶化している最中のイラ粉が
釜の中で転がり落ちる音の変化を聞きながら
その日の天候、気温、湿度あわせて、
1.釜の回転スピード、
2.釜の傾き角度、
3.釜を熱する火の温度、
4.糖蜜の濃度、
を細かく調整し
成長する砂糖の結晶を五感で確認しながら
イラ粉の上に糖蜜を掛け、
まんべんなくイラ粉に行き渡るように
タイミングをはかって
コテで丁寧に撹拌(かくはん)していきます。
砂糖が結晶化する状態を常に確認して
その都度微調整を行わないと
べたついて、乾かなくなり、
イガ(角)が出なかったり、
乾燥しすぎて、透き通っていない
バリバリ、カサカサな金平糖に
なったりしてしまう。
刻一刻と状況が変化するため、
作り方がレシピになっていない、
職人さんの経験と勘が物を言う
奥の深い作業。
ゆえに
金平糖を作る作業は
職人さんが自分の体で覚えていくことで習得できる
一子相伝の技
一人前に金平糖が作れるようになるまで、
「コテ入れ10年、蜜掛け10年」
合わせて20年かかると言われているのも
うなずける話。
つづく・・・
明日香