マルキヤ
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誕生石・1月(ガーネット15 パイロープ1)

パイロープガーネット(Pyrope Garnet)

和名は苦礬柘榴石(くばんざくろいし)

色は赤紫から橙赤、茶赤。

2カラットを超えるものがほとんどなく

小粒が多い石。

 

一般的にガーネットの話をする場合、

まず思い出されるのが赤系の石ですが、

その時、話題に上っているのは

このパイロープガーネットと、

後に説明する、アルマンディンガーネットで、

以前にもお伝えしましたが、

共に赤系ガーネットを代表する石です。

 

パイロープガーネットのパイロープ(pyrope)は

ギリシャ語で「火、燃える眼」を意味する

「ピロポス(Pyropos)」が名前の由来。

人間による処理が行われることなく

産出される時点で既に宝石品質の紅色をしています。

 

パイロープガーネットの

大型の鉱脈がチェコで発見され、

18世紀から19世紀にかけて

ハプスブルグ帝国やヴィクトリア王朝が

装飾品にさかんに使用するようになり、

ガーネットブームが巻き起こったとのこと。

 

また、この鉱脈によってチェコは

パイロープガーネットの産業拠点となり、

ハプルブルグ家が統治するハプスブルグ帝国を

繁栄に導いたとも言われています。

 

その鉱脈はボヘミアングラスで有名な、

チェコのボヘミア地方にあり、

当時、この鉱脈産業に関係する仕事に

従事していた労働者は

2~3万人規模にものぼったと言われています。

 

ボヘミア産出のガーネットは、

現在でもわずかに高品質なものが産出されてはいますが、

早い段階でほとんどが掘りつくされてしまったため

その労働力をグラス産業が引き受ける形で、

グラスづくりが盛んになり、ボヘミアングラスが

工芸品として有名になったんだとか。

 

それゆえ、ボヘミアングラスはパイロープガーネットと

同じ色合いを持つ赤いボヘミアングラスになった

と言われています。

 

また、そのパイロープガーネットの赤色は

色の濃いルビーに似ていたため、

18世紀から19世紀にかけて作られていた装飾品に

ルビーとして使用されていた赤い石は

実はその多くがこのパイロープガーネットだった

ことがわかっています。

 

つづく・・・

 

 

明日香