前回からのつづき・・・
江戸時代に定着した
お彼岸にはお墓参りに行くことが、現代でも
多くの日本人の間で習慣になっているわけですが、
お墓参りに行くときに持って行くものや
お供え物に決まり事ってあるのでしょうか?
お彼岸は基本的にご先祖様に会いに行く
というスタンスですが、だからと言って
特別なことをする必要はなく、
通常のお墓参りのように、お花とお線香、
故人の好物だったお供え物で大丈夫。
それよりも、会いに行ったという事実が
何よりもご先祖様がお喜びになることと
考えると良いかと思います。
うちの実家のお寺でも、
特に変わったことをすることは無く
お参りに来られる檀家の皆様の
ご先祖様のご冥福をお祈りして
心からのご奉公をさせていただきます。
ただ、昔からの習慣で、お彼岸にふさわしい定番の
お供え物というのはあるようで、
春分の日には「ぼたもち」
秋分の日には「おはぎ」をお供えするのがよいとか。
お供え物に季節の花とコラボさせているというか、
春分の日の頃に咲くのは牡丹の花なので
春のお彼岸には
「牡丹の花(ぼたんのはな)」→「牡丹餅(ぼたもち)」
秋分の日の頃に咲く萩の花なので、
秋のお彼岸には
「萩の花(はぎのはな)」→「御萩(おはぎ)」
といった具合です。
呼び方だけでなく、素材にも理由があるようで、
ぼたもちもと、おはぎは、こしあんと粒あんといった
あんこの種類に違いはありますが、どちらも
あんこを使っています。
あんこの原材料である赤い色の小豆は縁起物で、
長寿を願ったり、魔除けをしたりする色とされていて、
小豆から作ったあんこを大量に使うぼたもちやおはぎを
ご先祖様や亡くなった方々を偲ぶ際にお供えすることで
子孫の長寿と魔除けへの願いがこめられているのだとか。
また、ぼたもちも、おはぎも、
もち米とあんこの2つを合わせることで出来ており、
そうした意味のお供えをするということは、
ご先祖様と自分たちの心を合わせるという意味も
含まれているのだとか。
ぼたもちやおはぎが、
とても高尚な食べ物に見えてきました(笑)
つづく・・・
明日香