前回からのつづき・・・
金平糖に、なくてはならない
「イガ」もしくは「角」と呼ばれる突起は
どのようにできるのでしょうか・・・
前回お伝えしたように
「糖蜜」がイラ粉の周りに浸透し
水分が熱で蒸発し、イラ粉のまわりに
砂糖が結晶化していくことで
金平糖ができていくわけですが、
素人的に考えると
「糖蜜」がイラ粉の周りに薄く結晶化して
それを何回も繰り返すことによって
何層にも砂糖の結晶が重なり合って
丸く、大きくなっていくだけのように想像しますが、
そう単純ではありません。
それは、金平糖を作るために開発された、
「ドラ」と呼ばれるドラムのような形をした
釜の形状と傾きと動き、
そして、職人さんによる
イラ粉に「糖蜜」を加える際の絶妙なかけ方と、
コテという道具を使った絶妙な撹拌(かくはん)が
複雑な動きと作用を作り出し、単に丸くならずに
金平糖のイガ(角)を作り出している
と言っても過言ではありません。
金平糖を作る窯は 前述のように
ドラムのような円形の釜で、
傾斜して熱源の上に設置されていて
回転しながら200℃に熱せられています。
その中に入れられたイラ粉が
釜の回転に合わせて、
釜の中を上に向かって移動し、
ある程度の高さまで上がると
釜の中を下に向かって落ち始める、
といった動きをします。
ドラム式の洗濯機のドラムが傾斜していて
洗濯物がどのような動きをするか思い出していただき
洗濯物をイラ粉に置き換えて想像していただくと
頭の中に画像を描きやすいと思います。
この中で動きながら熱せられたイラ粉に
職人さんが絶妙なタイミングで「糖蜜」をかけ、
コテと呼ばれる道具で混ぜ合わせると
釜も回転しているため、
イラ粉は「糖蜜」と混ざりながら
200℃に熱せられた釜の鉄板に
接触したり、しなかったりしつつ
複雑に上下移動することになるわけですが・・・
つづく・・・
明日香