パイロープガーネット(Pyrope Garnet)5
屈折率がパイロープガーネットとルビーを特定する
重要なポイントであり、明白な違いではあるのですが、
決定的な違いは
パイロープガーネットが
単屈折(SR)で
ルビーは
複屈折(DR)である
ということをお伝えしました。
この単屈折(SR)、複屈折(DR)とは、
何を表しているのでしょうか?
先ず、光は電磁波の一種で、
あらゆる方向に振動している
と考えられているということを前提として、
あらゆる方向に振動している光が
結晶(宝石)・非晶質内(ガラス、プラスチック)・液体等に
入射した際に
光の通過速度は遅くなるものの、
光の振動に影響を受けることなく
光が偏光せず通過していく現象を
単屈折(SR = Single Refraction)とよんでいます。
この単屈折、
①液体(液晶以外)
②ガラスやプラスチックのような結晶構造を持たない非晶質の物質
③鉱物を形作っている7つに分類される結晶系のうちの
1つである等軸晶系と呼ばれる結晶系の結晶
以上のような物質に光が入射した時に起こる現象で、
今回のケースのパイロープガーネットは
等軸系の結晶のため③に該当し、
単屈折(SR)ということになります。
ところで結晶系とは
鉱物を形作っている結晶内の結晶軸に合わせて、
分子がどのような並びになっているかを表していて
7種類に分類されています。
その7種類は以下の通り。
①等軸晶系
②六方晶系
③三方晶系
④斜方晶系
⑤正方晶系
⑥単斜晶系
⑦三斜晶系
では、複屈折とは?
そのお話しは次回で
つづく・・・
明日香